INTELLIGENT FORCE

AI Platform Work 03 Consulting 熟練者の暗黙知をAIで形式知化。複雑な人員配置計画を刷新した業務変革

Sler戦略策定業務効率化

Data

  • 担当者

    畑田 大毅

  • お客様情報

    業界:交通インフラ
    従業員数:約40,000名
    売上:約2兆円

  • 支援内容

    • • AIアルゴリズム開発
    • • シフト最適化PoC
    • • 業務要件整理・形式知化
    • • アジャイル開発推進

Process

大手交通インフラ事業者様では、専門人材のシフト計画作成において、法令や社内規程など数万通りに及ぶ制約条件を満たす必要があり、熟練担当者の膨大な工数と属人化が経営課題となっていました。この複雑な課題に対し、インテリジェントフォース(以下IF)はAIアルゴリズム開発の専門家として参画。現場のノウハウを徹底的に形式知化し、アジャイルな開発手法で業務変革を推進しました。結果として、作成工数を約8割削減し、属人化の解消と安全運航の品質向上を両立する革新的な基盤を構築しました。

プロジェクト背景 大手交通インフラ事業者様では、専門人材のシフト計画業務において、法令上の勤務時間規制や安全管理基準など、数万通りに及ぶ制約条件を同時に考慮する必要がありました。そのため、シフト作成には極めて高度な専門知識と多大な工数が求められ、担当者の残業が常態化するなど、運用負荷の高さが大きな課題となっていました。また、市場には乗務スケジューリングを支援するパッケージ製品も存在していましたが、お客様特有の業務オペレーションや複雑な運用要件に十分対応できるものはありませんでした。一方で、スクラッチ開発を行う場合も、膨大な制約条件や複雑なロジックを実装する必要があり、非常に難易度の高いプロジェクトになることが想定されていました。そこで、AIアルゴリズム開発に強みを持つ我々に声がかかり、まずは小規模な実証実験(PoC)からスタートすることになりました。
お客様の課題 最大の課題は、スケジュール作成における「暗黙知の属人化」と「ルールの分散」でした。明文化された法律や協定だけでなく、「夜間対応を伴う勤務の翌日は十分な休息時間を確保する」「突発的な運行変更を見越して、特定業務には余裕を持った配置を行う」といった、熟練担当者の頭の中にしかない経験則が多数存在していました。さらに、制約条件の根拠となる規定が様々な部署や文書に分散しており、一元的に把握することが困難な状態でした。なぜこのような状態になっていたかというと、長年の運用の中で、現場の職人技に依存する業務構造が固定化してしまっていたからです。
ご支援内容 我々は、熟練担当者への徹底的なヒアリングを通じて、暗黙知を「形式知化」するアプローチをとりました。しかし、単に話を聞くだけでは本質は引き出せません。そこで、UIなどのシステム開発は一旦後回しにし、コアとなるAIアルゴリズムの構築に特化しました。とにかく早くアウトプットを出し、それを現場に見せて「なぜこのアサインは駄目なのか」をファクトベースで議論する。この演繹的・帰納的なプロセスを高速で繰り返しました。本質的なスコープに絞り込み、無駄を省いたプロジェクト設計を行うことで、圧倒的なスピードでPDCAを回すことができたのが、他社にはない有効な進め方でした。
プロジェクト推進のハードル ヒアリングを進めるたびに、初期には想定していなかった新たな制約条件や例外ルールが次々と出てきたことです。AIが弾き出した結果に対して現場からフィードバックをもらい、アルゴリズムを修正するという工程を、週1〜2回のペースで100回程度繰り返しました。また、人間の思考プロセスをそのままシステム化するだけでなく、それが実用的な時間内で計算を終えられるよう、計算量を落とす工夫や高速化のチューニングを行う必要がありました。現場の要求水準とシステム的な制約のバランスを取りながら、粘り強くアルゴリズムを磨き上げる過程は非常に難易度が高いものでした。
成果・変化 従来、専門の担当者が数週間かけて手作業で行っていたスケジュール作成業務が、AIの導入により約1時間(手直しを含めても3〜5時間程度)で完了するようになりました。作成工数にして約8割の大幅な削減です。また、AIが定型的な制約条件を自動処理し、人間は個別の例外対応や最終判断に集中するという役割分担が明確になりました。これにより、担当者の業務負荷が劇的に軽減されただけでなく、属人化が解消され、誰が担当しても一定以上の品質と安全性を担保できる業務基盤が整いました。
今後の展開 「熟練者の経験や勘に依存しており、業務の標準化ができない」と悩むすべての企業に参考になるはずです。特に、製造業における生産計画や、医療・介護業界における複雑なシフト作成など、制約条件が多く最適化が求められる領域と非常に親和性が高いです。変革時のポイントは、最初から完璧なシステムを目指すのではなく、コアとなるロジックの検証に絞って高速にプロトタイプを回すことです。要件定義に時間をかけすぎると、現場の真の暗黙知を引き出せずに失敗するリスクが高まります。
メッセージ 我々の強みは、単なるAI技術の提供にとどまらず、現場の泥臭い業務に入り込み、暗黙知を紐解いて実装まで一気通貫で伴走できる点にあります。AIを前提とした業務プロセスの再設計から、本質的な課題にフォーカスした無駄のないプロジェクト推進、そして何より圧倒的なスピード感を持って経営インパクトを創出します。戦略を描くだけでなく、現場が実際に使い、効果を実感できるシステムを実装する力こそが、IFの最大の価値です。

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